合理的配慮とは、障害のある人が障害のない人と同等の権利を行使できるよう、社会の側がバリアー(障壁)を取り除いたり、変更・調整することです。
障害者差別解消法に則り、過度な負担にならない限り学校側は合理的配慮を行う義務(私立の場合は努力義務)があります。
「小学校・中学校でできる「合理的配慮」のための授業アイデア集」
編:全国特別支援学級設置学校長協会
<本の内容>
新学習指導要領では,障害のある児童生徒に対して指導内容や指導方法を工夫することが求められている。では,それを具現化するためにはどうすればよいのか。本書では,授業において合理的配慮を提供するための100のアイデアを紹介する。
<目次>
学校における合理的配慮の基本的な考え方
「合理的配慮」のための授業アイデア100
学習面
・「読むこと」に困難さのある子供のために
振り仮名を振る
文節ごとに区切る
マーキングや囲みによる強調
読んでいる行をわかりやすくする
会話文を色分けする
音読ノートの作成
時計の文字盤に「分」を記入する
ルビ打ちの教材と個別の言葉かけ
・「書くこと」に困難さのある子供のために
漢字をパーツに分けて組み合わせる
部首や文字の形に注意を向ける
漢字の一部を書き入れておく
移動可能な文字枠
色マス目と分解文字
漢字練習のためのノートの工夫
パソコンソフトを活用した筆順練習
タブレット端末の活用
お手本にポイントを記入する
行ごとに切り込みを入れる
板書をノートに書くための配慮
マス目黒板の活用
プリントや板書予定のコピーを用意
学習補助プリントの作成
定規の固定
デジタルカメラの活用
ICTを活用したノートテイク
デジタルメモの活用
ホワイトボードの使用
代 筆
・「聞くこと」に困難さのある子供のために
品詞カードの活用
座席等の工夫
音源の位置の配慮
要約筆記
ワイヤレス補聴援助システムの活用
FM式補聴器及び意思表示カードの活用
指示カードとタイマー
トレイのふたにフェルトを貼る
・「話すこと」に困難さのある子供のために
「唱える」代わりに電卓を使用
・「見ること」に困難さのある子供のために
座席の配慮
座席の位置や板書の工夫
板書の大きさや色の配慮
持ち歩けるホワイトボードの活用
楽譜のマーキングや付箋貼り
タブレット端末の活用
・「文章の理解」に困難さのある子供のために
1文ごとに区切る
スラッシュ・リーディング
拡大した挿絵の活用
・「計算すること」に困難さのある子供のために
タブレット端末の活用
・「演奏すること」に困難さのある子供のために
楽譜を1行(4小節)ごとに示す
色楽譜と色シールを楽器に貼る
音階と指遣いを示す
楽譜とリコーダーの工夫
パッド付きリコーダー
・「身体の動き」に困難さのある子供のために
タブレットで正しい動きを確認する
・「手指の動き」に困難さのある子供のために
弱い力でも切れるはさみや,利き手に合わせたはさみを使う
まな板の下に布巾を敷く
安全な包丁の握り方などを掲示
材料を切りやすい形にする
切る大きさの目安をまな板に付ける
行動面
・「状況の理解」に困難さのある子供のために
活動内容を絵で表す
めあてカード
ゼッケンを目印にした班行動
リズム太鼓を使う,集合の場を設定する
名前の貼り替えができる分担表
名前入りの掃除場所の表
掃除当番の週予定表
・「見通しをもつこと」に困難さのある子供のために
メモに書いて渡す
作業内容・手順の写真掲示
視覚的に学習課題を提示する
絵カードの作成
「約束ブック」の活用
個人のスケジュール表の作成
指示の明確化
片付ける位置を示す
・「注意集中」に困難さのある子供のために
授業の始めにキーワードを示す
ICT機器とホワイトボードの活用
シンプルな教室環境
机・椅子カバー
話を聞くときの約束カード
見通しカード
振り返りカード
連絡ノート
別室受験
・「持ち物を揃えること」に困難さのある子供のために
教科別持ち物ケース
・「行動のコントロール」に困難さのある子供のために
「がんばり表」の活用
教材や学習カードの工夫
「ヘルプ・カード」の使用
座席の配慮
別室対応
ヘッドギアの着用
・「気持ちのコントロール」に困難さのある子供のために
安心お守りカード
ルールを明確にし,褒める機会を増やす
・「整理整頓」に困難さのある子供のために
持ち帰りボックス
・「歩行」に困難さのある子供のために
校外学習コースの調整
下足箱の配慮
・「姿勢の保持」に困難さのある子供のために
椅子の側面に板を付ける
牛乳パックを活用した補助椅子
足型シート
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